〜 作曲方法について 〜



作曲する時に気を付けている事? うーん、これまで随分曲を書いてきたけど、
「さあ、それから良い曲を書くぞ」と思ってピアノに向かうと、もう最悪。(笑) 
そういった邪念を少しでも持つと、もう駄目。「何かを作ってやろう」とか、「何とかし
てやろう」とか、そういった「○○○してやろう」という意識が働けば働くほど、
最悪な曲ばかり浮かんでくるもんだよ。

曲のアイディアっていうのは「浮かぶ、浮かばない」っていうもんじゃない。無意識
にパッと出てくる。いや、出てくるっていうより授かるんですよ。そう、まさに”授かる”
という感じ。曲作りというのは、オレ個人の力でどうなるもんじゃないから...。
神様から与えられたインスピレーションと言うしかないよね。

実は病気からジャズの現場に復帰してから初めての長期ツアーっていうのが、今回の
北海道ツアーだったんだけどね。それで一番最初に着いた場所がサロマ湖の近くの町
だったんだけど、町に着いたその晩に「サロマ・ブリーズ」っていう曲を書いちゃった。
その他にも2、3曲出来上がったんだけど、そういう風にさ、森とか海とか湖とか、
そういう自然とピアノが一体化した時、初めて自分でも満足出来る曲が、神様から
”授かる”んですよ。
広大な自然とピアノとの無意識な出会い...それがオレの曲作りの柱と言えるかも
知れないね。

オレはね、12小節の中のたったひとつの音、これに自分の全ての魂(SOUL)を込め
られれば、それで良いと思うんだよ。これはジャズだけに限らず、何でも音楽全般に
言える事だよね。だから自分にとっては、そういう魂が込もっている”ひとつの音”って
いうのを、今現在ではピアノ・トリオや「アフリンバ」、また「ピュア」といったバンドを
通してみんなに聴かせたいと、いつも思っているよ。

(以下、本田 竹広インタビュー 〜 エレクトリック・ピアノについて 〜 に続く)


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