〜 師匠・渡辺 貞夫 〜


入院して身体が自由にならなかった時、あれは深夜のNHKのテレビ番組だったと思
うんだけど、ちょうど貞夫さんが出演しててね、「ノー・モア・ブルース」を演奏してた。
その音がさ、もうなんて言うか、キラキラしてんだよ。キラキラ輝いてる。その時、ホント
「わーっ、凄い!」って思った。

もちろんオレは昔、貞夫さんのバンドにいた事があるから、貞夫さんのそういう輝きは
身近に知ってはいたけど、その時のキラキラは全然違うんだよ。自分が入院先で肉
体的にも精神的にも落ち込んでいた時に聴いた、あの「ノー・モア・ブルース」の輝き、
あれは本当に言葉では言い表せないね。

オレの根本も目標も、全ては渡辺 貞夫だからね。オレが退院する事が出来たら、そ
こまではやれないかも知れないけれど、あのスピリット、あの貞夫さんのジャズ・スピ
リットだけは表現出来るミュージシャンにまたなりたい!ってつくづく思ったね。
あんなに輝いている音楽をやっている....そう、あんなに輝いている音楽をやって
いる次元にオレもイケルだろうか? そしてもし行けるんだったら、行けるところまで
行ってみよう!と....。それだけの努力だけは絶対にやってみようって、思った。

貞夫さんから教わった事をオレに語らせたら、10年は掛かるよ。(笑) それは音楽
の事だけじゃなく、いろいろな事を含めてね。そういう意味で、貞夫さんの音楽って
いうのはいつもオレのなかにあるんだよね。

(以下、本田 竹広インタビュー 〜 遙かなるアフリカ 〜 に続く)

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